キャリアコンサルタント 資格試験 学習記録
メンタルケア
クライエントの中には失業等によってアイデンティティを失い心理状態が不安定で心身の健康問題を抱えた人が多く見られる。カウンセリングの導入の段階でよく理解し、見極め、適切な対応ができなければならない。 平成10年以降日本の自殺者は14年連続3万人以上、50代が最も多い・世界では8位 4つのケア(2000年労働省:事業場における労働者の心の健康づくりのための指針) 1.労働者自信による「セルフケア」 2.管理監督者による「ラインケア」 3.事業場内の健康管理担当者による「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」 4.事業場外の専門家による「事業場外資源によるケア」
メンタルヘルス
WHO世界保健機構の健康の定義:身体的・精神的・社会的にすべてが満たされた状態 心と体のヘルスケアのポイント 1.心身ともいかに抵抗力をつけ、病気を予防するか 2.いかに早期発見し、早期に適切な治療を受けるか 3.徐々に職場復帰し職場に適応・回復するか 適応の条件(客観性・自己受容・自己コントロール・交流・自発性) 1.現実的、客観的に物事を捉えられる 2.適切な自己受容ができる、自分を肯定的に捉えられる 3.自分自身をコントロールできる 4.他者と交流できる 5.自発性を備えている
企業責任とメンタルヘルスケア
1.電通事件の概要 1990年入社1年半後に自殺、過酷な長時間労働を強いたためうつ病になり自殺。一審では長時間労働と自殺の因果関係を認め、会社の予見可能性、安全配慮義務違反について彼の健康状態を知りながら具体的措置を取らなかった責任を肯定し1億2600万円の賠償を命じた。 控訴審では一審を判決を支持したが被災者側にも3割の責任があるとし、会社責任を7割とした。しかし、1998年中央労働基準監督署が業務上と認定し2000年3月最高裁は因果関係を認め、電通の上告を棄却、二審判決も破棄し、高裁に差し戻した。6月東京高裁1億6800万円で和解。 2.安全配慮義務 労働契約法第5条(労働者への安全配慮義務) 実行者は管理監督者で、不調者が出た場合は早期対処・職場復帰・再発防止に努める。不調者がでないようにする活動も行わなければならない。 3.予見可能性 健康状態や異常な言動を知りながら、具体的措置を取らなかった 結果回避のためどんな行動をしているかが問われる。体調不良(相談・通院・休養)労働時間を適切にする 医学やカウンセリングの知識は問われない 予見可能性とは、危険性があることを知っていたにもかかわらず対策をとらなかったとか、危険性を知り得る立場にあったのに怠慢から危険性について知らなかったため対策がとられなかったなどいった違法性
EAP従業員支援プログラム Employee Assistance Program
アメリカで1940年代に企業内のメンタルヘルスサービスの一環として始まった産業カウンセリング ・当初はアルコール依存・薬物依存による職場不適応対策 ・1960年以降はメンタルヘルス全般・キャリアカウンセリングのサービスも開始 ・現在ではアメリカのトップ企業500社のうち80%が導入 ・診療回数・病欠・事故によるロスタイムの減少等、経済効果が上昇 ・長期の心理療法ではなく短期的カウンセリングによる従業員の職場復帰をサポート ・予防のための、広義・教育・訓練を実施 ・長期対応が必要な場合は外部専門機関にリファー
ストレス
ストレスとは刺激に反応して歪んだ状態 受け止め方によって、ストレスの度合いは変わる ・ストレッサー:刺激をあたえるもの(物理的・社会的等) ・ストレイン:歪んだ状態(疲労・疾病・異常行動) ・モデレータ:受け止め方(個人差・コーピング・社会的支持) ストレッサー(生体の外にあって歪みを与える要因) ・物理的ストレッサー:気温・騒音・悪臭・放射線 ・科学的ストレッサー:酸素欠乏・栄養不足・薬物 ・生物学的ストレッサー:病原菌 ・社会的・心理的ストレッサー:職場や家庭の人間関係 不安・怒り・不満・葛藤 ・デイリーハッスル:日常のいらだち・煩わしさ(仕事内容・負荷量・役割と責任・達成目標と評価) ・ライフイベント:人生の出来ごと(昇進・昇格・昇給・移動・結婚・離婚) モデレータ(ストレインを和らげたり、悪化させる要素) 1.個人差:感受性・ストレス耐性・性格 2.コーピング(対処行動) 問題中心型:原因そのものの問題に向かい合い分析、除去 情動中心型:楽観したり、見方を変える、気分を変える 3.ソーシャルサポート: 情緒的支援:同情・共感・信頼(キャリア・コンサルタント) 道具的支援:仕事の援助・経済的援助(ケース・ワーカー) 情報的支援:専門知識の提供(キャリア・コンサルタント) 評価的支援:意見や仕事を支持・賛同・承認・評価(キャリア・コンサルタント) ストレイン(生理反応を超えて病理として表出するもの) 1.疲労:心身の異常 2.不適応・適応過剰:仕事や人を嫌がる 3.異常行動:遅刻・無断欠勤・離職等 4.疾病:精神疾患・心臓疾患・胃潰瘍など リラクゼーション. 深呼吸法 パニック・うつ状態・頭痛・不眠等には呼吸法を改善し、酸素を取り入れることが効果的 自律訓練法 ドイツの精神科医シュルツが考案、自己暗示によって心身をリラックスさせストレスから解放し、精神的安心感、安定感を得る
心の病気の3分類
1.気分障害:気分が落ち込むうつ病など(楽しめない・集中できない・不眠・自責の念・食欲不振) 2.不安障害:対人恐怖症など(顔面紅潮・動悸・発汗・不安感・イライラ・自律神経系の症状) 3.思考障害:統合失調症(妄想性障害、妄想・幻覚・幻聴・疑い深い・話が理解できない) 2週間以上続くと危険
うつ病
・患者数:104万人(2008年)生涯有病率20%・男女比1:2・自殺者は男性が多い ・初期症状:不眠・便秘・肩こり等身体症状 ・日内変動:早朝午前中が重く、午後夕方に気分が軽くなる ・病状:脳の機能障害、神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリン)の欠如? ・自殺:回復期、初期に起きやすい ・治療:休養・薬物療法(抗うつ剤)・心理療法(認知行動療法)・不眠治療 ・タイプA:競争的・野心的・精力的・挑戦的・出世欲強・過度の几帳面さ ・新型うつ病
心の病気の種類
1.統合失調症(精神疾患) 2.パーソナリティ障害(人格障害) 3.摂食障害(拒食症・過食症) 4.パニック障害 5.強迫性障害 6.心的外傷後ストレス障害(PTSD) 7.発達障害( 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム):自閉症アスペルガー症候群 AD/HD(注意欠落/多動性障害) LD(学習障害)
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