キャリアコンサルタント 資格試験 学習記録
ショウ夫人 1900初頭
ボストン職業局で組織的な「職業指導運動」
パーソンズ 1909 特性因子理論 著書「職業の選択」
職業選択の要点 1.職業は手当たり次第に探すのではなく、選択することがよい 2.選択するときには、自分に正直、慎重に自己分析し、かつ指導を受けることが望ましい 3.幅広く多くの職業分野を調べ、就きやすい職業や偶然みつけた仕事で妥協しないこと 4.職業情報を有し研究している専門家の助言を受けることが望ましい 5.自己分析は紙に書きだすことが必要である 特性因子理論の3つの仮説(職業選択意思決定の見たての基になる理論) 特性:個人の興味・適性・価値観・性格 因子:その職業が求める要件(仕事内容・必要能力) 1.人は必ず他の人と異なる能力・特性をもっており、この能力・特性は測定可能である。 2.人は自分の能力・特性と職業に求められるスキルが一致するほど仕事における満足度は高くなる。 3.人は自分の能力・特性に最も相応しい職業を選択する。 カウンセリングモデル(職業指導の目的) 1.自己分析 性格・適性・興味・関心・希望 2.職業分析 仕事の内容・求められる能力 3.理論的推論(合理推論による人と仕事のマッチング)
ウィリアムソン 1930 ミネソタ大学進路指導 特性因子理論的カウンセリング
学生生活全体の適応症状を改善するためのカウンセリングに有効(学生相談の基本的概念) 「個人の持つ仕事に関するスキル・能力と、それぞれの仕事が必要とするスキル・能力をマッチングすることによって、よい職業選択や職業適応はもたらされる。」 人の個性や適性は開発され・発見され・測定される カウンセリングの具体的進め方 1.分析段階:各種心理検査でクライアントの問題点を整理 2.統合段階:職業、労働情報を収集し統合する 3.診断段階:問題点を並べ優先順位をつける 4.予測段階:将来の見通し、行動予測を行う 5.処置段階:カウンセリングを行い、助言・指導を行う 6.観察段階:クライエントのフォローアップを行い、その後の経過を見る
ロジャーズ 1940? 来談者中心療法カウンセリングとサイコセラピー
特性因子論への批判点 1.指示的である 2.カウンセラーが中心的で、技術に重点がある。権威と責任を持ちすぎる 3.来談者の感情や態度、相互関係や協力関係が軽視されている 4.テスト・検査依存型である 5.適性を固定的にみる傾向がある キャリアカウンセラーに求められる3つの態度条件 1.無条件の肯定的関心 2.共感的理解 3.自己一致・純粋性 非指示的療法 具体的な職業と結びつけない 結果の本質的な特性を見つける 職業分析をより重視したカウンセリングを行う
スーパー 1953 発達論からのアプローチ 開発的カウンセリング
初期の定義:個人の職業生活の過程における一連の職業・職務・職位 再定義:生涯においてある個人が果たす一連の役割、およびその役割の組み合わせ キャリアは青年期に選択され決定され維持されるのではなく、生涯にわたって発達変化する。 「指示的」「非指示的」カウンセリングの方法を折衷し「開発的カウンセリング」を提唱 ライフキャリアレインボー 成長探索確立維持衰退(マキシサイクル)転職等でサイクルは繰り返す 1.成長:身体的、精神的発達。仕事に対する欲求感心 2.探索:仕事の必要条件を知り、決定する 3.確立:仕事に定着する 4.維持:自己実現 5.衰退:地域活動、余暇、 ライフロールのバランスをとる 人生役割の時間の使い方どう工夫するか?(行動計画) 自己概念 自己概念は行動に結びつく 職業的自己概念を育てるカウンセリング who am I? WAI法 自分の自己概念を整理していく 書けない理由、書ける理由、 重要に思うのは何か 言語化する技術 直接体験間接体験(人の話を聞く) キャリアのアーチモデル 自己概念がキャリア開発とその形成において最も重要な要素 左:個人的要素(心理学的要素) 右:社会環境的要因(社会・経済状況)
ホランド 1970? 6つの性格タイプ
キャリア形成は個人の性格と仕事環境との相互作用の結果からなる 自分の性格特性と一致する社会環境で仕事をすることによって安定した職業選択と高い職業的満足が得られる キャリアインサイト(テスト)MVTISPI.VPI アセスメント・ツール 診断テスト 6つの性格タイプ 1.現実的タイプR 明確で秩序的、組織的 2.研究的タイプI 好奇心が強く学究肌で自立的、独立志向が強い 3.芸術的タイプA 独創的で習慣にとらわれず、繊細で感受性が強い 4.社会的タイプS 社会的活動に熱心で、対人関係を大切にし友好的 5.企業的タイプE 指導的立場で組織目標を達成したり経済的利益を目的とした活動を好む 6.習慣的タイプC 情報を具体的秩序的に体系的にまとめ、整理する活動を好む ThreeLetterCode
プレディガー ホランドの研究を継承(職業の分類分け)
ワークタスク・ディメンジョン: 1.データ(事実・記録):会計・購買・航空管制官 2.アイディア(創作・発見・解釈):科学者・音楽家・哲学者 3.人間(援助・奉仕・説得・講義):教員・看護婦・販売員 4.もの(機械・道具・修理・輸送・生産):職人・農民・技師 ワールド・オブ・ワークマップ 1.現実的タイプR 技術・もの(4) 2.研究的タイプI 科学・ものとアイデア(2-4) 3.芸術的タイプA 芸術・アイデアと人間(2-3) 4.社会的タイプS 社会的・人間(3) 5.企業的タイプE 管理・人間とデータ(1-3) 6.習慣的タイプC 習慣的・データともの(1-4) ジョブファミリー ワークタスクディメンジョンが似ている同士を分類
クランボルツ 社会学習理論 行動カウンセリング 著書:キャリアサバイバル
学習理論:人の行動はその行動を学習したことから形成されており、環境要因や遭遇した出来事に刺激を受け、行動がおこり、強化され、この一連のプロセスが繰り返されるものである キャリア開発は学習プロセスの結果である 個人の「遺伝的要素」「環境要因」「学習経験と課題アプローチスキル」の重要性を強調 職業選択に影響を与える主要なもの 1.遺伝的要素と特殊な能力 2.環境条件やそこでの出来事 3.学習経験 4.課題に対するアプローチスキル 学習経験 道具的学習:人が環境に働きかけた時、結果を得ることによって生じる学習 連合的学習:人が外部刺激に反応して2つの現象が結びつくことによって生じる学習 プロセスと意思決定モデル 第1段階:課題・問題の明確化、具体化言語化し、そのうえで選択肢をあげる 第2段階:具体的な行動計画を立てる、各段階で達成基準、期限を明確にする 第3段階:価値基準を明確にし選択によって得られる重要なものが何か確認する 第4段階:価値・能力・興味・関心に基づいて代替案をつくる 第5段階:代替案も含め予想される結果を考える 第6段階:必要な情報を収集し、整理し、多角的に代替案を絞り込んでいく 第7段階:絞り込み決定された代替案を実行に移し具体的に行動する キャリアカウンセリングの基礎手法 1.強化:学習過程においてプラスの強化を与えることによって学習は促進される(努力を積極的に認める等) 2.ロール・モデル:カウンセラーがロールモデルを演じ、意思決定・戦略・アプローチステップを考える 3.シミュレーション:達成の過程やキャリア形成過程を想定し、発生する問題を整理・明確化する 社会学習理論に基づくキャリアカウンセリング 1.クライエントの環境はさまざまに異なる 2.意思決定は学習によるものである 3.意思決定をうまく行えばキャリア選択は成功する 4.最も相応しキャリアは一つではなく、選択に迷うのは当然である 5.キャリア選択後のフォローアップ・支援も必要である クライエントの特性(以下の可能性がある) 1.キャリアに関する問題解決ができるかどうか自信がない状態 2.キャリア選択に於いて新しい選択肢を避け、慣れた不安のない選択肢を選ぶ 3.間違った情報や仮説ものとに考えている 4.自分の潜在的キャリアを評価できず間違った学習を行っている 5.非現実的な目標を立てたり矛盾した行動をとる カウンセラーの課題(クライエントに対し) 1.能力・興味・関心について幅広く検討し明確化する 2.新しい職業・職務につくための能力開発やその具体的方法に関する情報提供を行う 3.意思決定過程積極的にサポートし、実際に行動化するよう支援する 4.キャリア全般にかかわるすべての問題に対応し支援する 計画された偶発性 偶発的におきる予期せぬ出来事からもキャリアは形成され開発される。むしろ予期せぬ出来事をおおいに活用すること、偶然を必然化することを勧めている。 偶発性のキーワード 人出会い勇気行動力遊び創造力チャンス発信アンテナコネクション興味捨てる好きな事好奇心リスクテイキング諦め一体感ポジティブ自己向上欲望 ライフキャリア 1.人は生涯学習し続ける、キャリアは学習によって形成される 2.キャリアの最終ゴールは豊か楽しみのある人生と生活 3.予期せぬ出来事を意図的に作り出す 4.キャリアの選択肢はいつでもオープンにする 5.予期せぬ出来事がどうなるか探索するための行動を起こす 6.失敗も学習の一つで学ぶことは多い 7.スキルは学習できるという前提で職業選択をおこなう 8.引退は他人を支援するためのスタートでもある
シャイン キャリアアンカー 著書:キャリアサバイバル
キャリアとは「人の一生を通じての仕事」「生涯を通じての人間の生き方、その表現のしかた」である キャリアアンカーとキャリアサバイバルは個人対企業における対をなす概念 キャリア主要発達段階 1.成長・空想・探究(0-21):青年期初期まで、キャリアは職業についての概念にすぎない 2.教育・訓練(16-25):仕事世界への参加と基本訓練、自己欲求と社会欲求の調和を学ぶ 3.初期キャリア(17-30):仕事の取り組みを学ぶ、自己認識を獲得し自己概念を開発する 4.中期キャリア(25-45):アイデンティティの確立、キャリア計画を立てる 5.中期キャリアの危機(35-45):過去を再評価し、進路を決定、キャリアアンカーの意味を現実に評価 6.後期キャリア(40-Retire):管理者・メンター(指導者)の役割、自己の重要性の低下を受容 7.衰えと離脱(40-Retire):引退の準備、地域活動、家庭、趣味 8.引退:職業活動から引退し、アイデンティティと自尊感情の維持、他者への支援
キャリアアンカー
個人のキャリアのあり方を導き、方向づける錨、キャリアの諸決定を組織化し、決定する自己概念 構成要素:「才能・能力」「動機・欲求」「価値・態度」 キャリアの種類(専門・経営・安定・企業・自律・社会・全体・挑戦) 1.専門コンピタンス:企画・販売・人事・技術など特定の分野で能力を発揮 2.経営管理コンピタンス:組織機能・対人関係処理・集団の統率など組織の中で能力を発揮 3.安定:仕事の満足感・雇用保障・年金・退職手当など経済的安定と組織への忠誠や献身 4.企業家的創造性:創造・障害を乗り越える・リスクを恐れない・達成の欲求が原動力 5.自律(自立):組織に縛られず独自に仕事を進めることを望む 6.社会への貢献:より良い社会の実現・他者への救済・教育などに生きがいを見出す 7.全体性と調和:個人・家族・企業のバランス調整に力を入れる。ライフワークの実現 8.チャレンジ:解決困難な問題の解決・他人との競争にやりがいを感じる キャリア移動の理論 キャリアの円錐形モデル
キャリアサバイバル
職務と役割の戦略的プランニング:企業ニーズの分析 職務と役割のプランニングを行う意義 1.自分に対する他からの期待と自分の職務との関連を理解 2.自分の職務における利害関係者が誰であるかを理解 3.中心的な利害関係者の期待が何か理解 4.仕事環境における予想される変化を理解 5.これらの職務に対して持つ意味を理解
レビンソン 生涯発達理論
人の発達を「安定期」と各段階の境目にある5年の「過渡期」を繰り返しながら発達する。 発達過程には不安定な過渡期があるから意味がある。いったん立ち止まり自己と深く対峙し、周辺・環境を見つめなおすことで、自己のキャリアを新しく発展させる自己再生の「好機」である。 発達段階 0-17:児童期・青年期 17-22:成人への過渡期 22-28:大人の世界へ入る 28-33:30歳の過渡期 33-40:一家を構える時期 40-45:人生半ばの過渡期(中年期への過渡期) 45-50:中年に入る時期 50-55:50歳の過渡期 55-60:中年の最盛期 60-65:老年への過渡期 65-99:老年期 中期キャリアの時期は自己のアイデンティティの揺らぎ・キャリアの陳腐化・プラトー状態(高原現象:一時的な停滞)を経験する。この時期は「過去・現在・未来」を分析・再評価し、今後のキャリアの方向性を最終決定する重要な時期である。
シュロスバーグ 転機
人生は様々な転換(転機)の連続からなりたっており、それを乗り越える努力と工夫を通してキャリアは形成され開発される。 転機とは 「人生に於いて何らかの出来事が起こること、出来事に遭遇すること」 「予測したことが起きないため、その影響を受けて起きる変化のこと」 キャリア転換に検討すべき4つの視点 1.転換の影響度:役割・人間関係・日常生活をどの程度変化するか 2.転換のタイミング:人生に於いて良い時期かどうか、準備期間はあるか 3.自己コントロール:自分自身でどの程度コントロール可能か、選択肢はあるか 4.影響の持続性:転換によって生じる状況は一時的か永続的か イベント・ノンイベント 1.予期していたことが実際に起こる(イベント) 2.予期していたことが起こらない(ノンイベント) 3.その結果としておきる人生や生活の変化 キャリア転換の起こり方 1.予期していたことが起こる場合と起きない場合:解雇・失業・昇進 2.自ら決断して起こした出来事と起こさない出来事:転職・転勤・結婚・出産 3.人間の発達プロセスの中で起きること:子供の自立・定年・退職 キャリア転換への対処 1.転換の過去の経験:過去にも転職等を行ったか? 2.転換に対する対処行動:転換に際し適切な行動がとれるか、転換のストレスに対処できるか 3.自律感:自分の人生を自らコントロールできると感じるか 4.人生に対する認知:自分の人生を肯定的に認知しているか 対処のシステム 公的機関や民間団体、ハローワーク、職業紹介所、人材ビジネス 経済的資源・物理的条件の存在 支援してくれる人々・人間関係の存在 援助希求能力 ステップ1:リソース(資源)の4S点検 1.状況Situation:原因・予期・期間・体験・ストレス・認知 2.自己Self:仕事の重要性・仕事と他のバランス・変化への対応・自信・人生の意義 3.支援Support:よい人間関係・励まし・情報・照会・キーパーソン・実質的援助 4.戦略Strategy:状況を変える対応・認知意味を変える対応・ストレスを解消する対応 ステップ2:具体的戦略(「ニュートラル・ゾーン」を上手にマネジメントする方法の要点) キャリア転換時の戦略をマネジメントする方法 1.自らの責任と自覚を持ち自己管理する 2.変化の実態・影響を知る 3.捨てるべきものを決める 4.終了したものが何か確認 5.感情体験(不安・葛藤・迷い等)をそのまま受容する 6.安定しているもの・継続持続するものはなにか明らかにする 7.大きな決断をするときは時間をかける
ブリッジスの理論 1990 キャリア転換 ニュートラルゾーン
キャリア転換のサイクル3要素 「ある終結」・「ニュートラル・ゾーン」・「新たなる出発」 この中間に位置する「ニュートラル・ゾーン」をいかに上手にマネジメントできるかが重要
ハンセンの理論 ライフキャリア 精神性 著書:統合的人生設計
「相互に作用しあい影響しあう人生の様々な役割を包括する概念」 「自分にも社会にも共に役立つ意義ある仕事」を行う視点に立ちキャリア選択を行うことが重要である 人生の4つの要素「仕事・学習・余暇・愛」4L(Labor Learning Leisure Love) キャリアの概念の中核とされてきた「職業・職務」は人の「人生・生活」の中でそれだけを切り離すことは決してできない。また、予期せぬ出来事に突然遭遇するなかで、多様な影響を受け、留まったり、後退することもある。キャリアは直線的に進むのではなく「螺旋的に発達する」、その時に応じて柔軟に計画を変更し、方向転換をすることも覚悟が必要だ。 キャリアプランの課題 1.広い視野に立ちキャリア選択:個人のニーズだけでなく環境的ニーズも考慮に入れる 2.人生のパッチワークを創造:身体・心・精神性の統合 3.男女の共同、共生:男女がよいパートナーシップを形成することによって相互のキャリア開発が可能になる 4.多様性を活かす:創造性は多様性から生まれる、人種・宗教・性別・年齢・身体・能力・性格の違いを認める 5.仕事に精神的意味を見出す:社会に貢献し精神的意味を見出す 6.キャリア転機と組織変革に上手に対処:個人が自律的に選択肢人生の変化に対応できるスキルを持つ
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