ギターのアドリブ演奏法、弾き方を初心者向けに解説します。
Am マイナーのアドリブ
これまでのスケール「ドレミファソラシド」はメジャースケールというものです。メジャーというわけで長調の曲で使われるスケールなのですが、実は「ラシドレミファソラ」とラから始めることでマイナースケールにもなるのです。 音楽には明るい長調(メジャー)の曲と暗い短調(マイナー)の曲があるのですが、この区別は明確なものではないと思います。事実途中でマイナーになったり、メジャーになったり、どっちとも言えない音楽もありますね。 例えばAm F G C というコード進行はマイナーな雰囲気とメジャーな雰囲気をもっています。これがCメジャーの曲なのか、あるいはAmの曲なのか?これで悩むのはあまり意味がないですね。
このコード進行でアドリブをする場合も、これまでのやり方と全く同じです。Amの部分ではやはりラの音から始めるとマイナーな感じが出ますね。でも必ずラから始めなければいけないわけではありません。いろいろと試してください。
E7 を使いたい!
さて、フォーク系の弾き語りなんかをやってきた人は、これまでのなかでE7が出てこないのを不思議に思う方もいると思います。C調(Am調)の曲ではE7はよく使われるコードですね。 しかしE7の7の音とはG# ソのシャープなのです。「ドレミファソラシド」のソかラが鳴っていいるいるときにソ#の音が出ると、通常はいい感じにはなりません。実はここが重要なポイント、マイナースケールの秘密ってとこですね。 Am Dm で暗ーい感じは出るのですが、次にGが来るとなんか希望な持てそうな雰囲気になりますね。これがE7になると「立ち直れない」雰囲気が出せます。このダメ押し的な暗さを演出しているのが、ソ# の音ですね。
マイナースケールとは
実はマイナースケールには3種類あって、ちょっと面倒なのです。 1 ナチュラルマイナー ラシドレミファソラ 2 ハーモニックマイナー ラシドレミファソ#ラ 3 メロディックマイナー ラシドレミファ#ソ#ラ どれを使うのがいいのかというと、どれとは決まらないんですね。1のナチュラルはともかく、2と3はなにか変な感じです。サンプルのコード進行は Am Dm E7 Am でフォークではよくあるコード進行です。 E7でソ#が入るので2のハーモニックマイナーだけで弾くとDm の時になんか違和感を感じます。Dm はレファラなので、ソでもソ# でも使えますから弾く人によって変わるでしょう。Am はラドミなので、やはりどちらも使えますね。 私のサンプルではAm とE7 の時はソ# Dm の時はソを使っています。ここでも「コードによって音を選ぶ」というルールに従っているだけなのです。大切なのは曲の雰囲気をつかむことです。
ビートルズのYesterdayのコード進行
Yesterday はF調の曲ですが、ポールはギターのチューニングを1音落としてGから始まるコードを弾いています。(/はベース音です) G F#m7 B7 Em Em/D CM7 D7 G G/F# Em7 A C G F#m7 B7 Em D C Em Am6 D7 G F#m7 B7 Em D C Em Am6 D7 G C調に転調すると C Bm7 E7 Am Am/G FM7 G7 C C/B Am7 D F C Bm7 E7 Am G F Am Dm6 G7 C Bm7 E7 Am G F Am Dm6 G7 C こうなります。Cで始まっていきなりBm7 E7 とファ# ソ# が出てきます。この時点で通常の「ドレミファソラシド」ではアウトですね。後半はDFCと信じがたいコード進行です。 さらに、サビではこのBm7 から始まって、とてもC調のコード進行とは思えないですね。コード進行の音構成が全部わかった上でなければ、とてもアドリブはできそうにありません。(笑) アドリブの練習はコード進行を確認してから行いましょう。
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