ギターのアドリブ演奏法、弾き方を初心者向けに解説します。
ドレミファソラシドだけでアドリブできるの?
答え:できません。アドリブはメロディーですから、メロディーを考え付かなければできるわけはないです。でも、ここで諦める必要はありません。なんでもそうですが、最初は真似したり、試行錯誤していけばいいのです。 ドレミファソラシドの練習で身に着けたのは、どの音が弾いていい音で、どの音が弾いてはいけない音なのかということです。つまりド#やソ#は弾いてはいけない音なのです。 「ドレミファソラシド」はC調の曲ならアドリブソロを弾いて、間違った音(ミストーン)にはならないはずです。このそれぞれの音を組み合わせてメロディーを作っていきます。
C調の曲ならドレミファソラシドでOK?
答え:ダメです。実はここがちょっと厄介な問題です。すべての曲で同じようにアドリブソロができるわけではないのです。練習したドレミファソラシドをもとにアドリブソロができるのはある種の曲だけなのです。ちょっとがっかり(笑) それは、その曲がCの音階だけで構成された曲であることです。「ドレミファソラシド」だけで構成されている基本コードは次の14個です。 C/CM7/Csus4/F/FM7/G/G7/Gsus4/Am/Am7/Em/Em7/Dm/Dm7 これらのコードはドレミファソラシドの音しか使っていません。たとえばE7はソ#の音が入るのでソの音とは合わなくなってしまいます。 Bmb5 というコードも「シレファ」でこの仲間なのですが、あまり使われません。 ここでは、この7つの音で構成された曲をSong Of Seven(7音音楽)、これらのコードを基本コードと呼びます。 しかし、それほど心配はありません。なぜなら通常の曲はあまりそういった音を頻繁に入れることはないからです。まずは基本コードで構成された曲をもとにアドリブをやってみましょう。
アドリブソロのできる曲とできない曲
基本コードで構成された曲であれば、アドリブは比較的簡単に弾けるようになります、しかし、そうでない曲はできないというより非常に難しいというべきでしょう。フォーク系の曲やカントリー、日本のポップ系は比較的簡単です。スケールが違うのでここでは無理ですがブルース系も比較的弾きやすいですね。 私の経験で一番難しいのはビートルズです。基本コードだけで構成された曲は少なく、次にどんなコードがくるか予想もつかない展開や、ふつうありえないだろうといったコード進行を使うからです。 「ドレミファソラシド」は下のドと上のドは1オクターブ違いの同じ音です。ですから音の種類は7種類なのです。この7種の音で構成された曲は、いつも一定のスケールでアドリブソロが弾けるのですが、そうでない曲は難しいということです。 しかし世の中にある大半のポップミュージックは、この7音で構成された音楽なのです。
実践1 Cコードだけをバックに弾くアドリブ
もっとも基本的な練習はCのコードだけをバックに弾くことです。バックで流れるのはCのコードのみ、つまりドミソの音が鳴っているわけです。 これに合わせて、ドレミファソラシドのどれかの音を単音で鳴らしてみます。すると音によって聞くイメージが変わるのがわかるはずです。 どの音も不快ではないのですが、やはりドレミのどれかは落ち着いた感じに聞こえます。ディストーションのきいた連続音だとわかりやすいです。 つまり、ソロの音はドミソのどれかであれば、違和感がないのです。しかし他の音ももちろん使ってかまいません、例えばドレミファミと移動しミで音を延ばすなど、ドミソ以外は通過音として使います。 練習はできるだけ、ゆっくりとしたメローディーでその音がバックと上手く調和しているか、かっこいい感じがでているかを確認しながらメロディーを創り出していくのです。
メロディーはあくまで参考ですから、自分でオリジナルなメロディーを作ってみてください。気を付けることは、延ばす音はドミソのどれかで、他の音は短い通過音にすることです。
実践2 3つのコードバックに弾くアドリブ
次は3つのコードを使います。コード進行はC/F/G/Cです。三つのコードの音は C ドミソ F ドファラ G シレソ ソロを弾く時は、どのコードが演奏されているのかを意識しなけれななりません。通過音はドレミファソラシドのどれも使うことができるのですが、、特にコードの代わり際、例えばFになるときにドファラのどれかが同時になると、いい感じになります。Gになるときはシレソのどれかがなるようにするのです。 ただそのコードのどれかの音を出すだけではメロディーにならないので、Cのコードをドの音から初めてファで終わるように、例えばドレミファソラソファ最後のファがFコードの頭と合うように音を動かしていくのです。
実践3 マイナーコード入れたアドリブ
次はC/Am/Dm/G7とマイナーコードとセブンスコードを入れてみました。アドリブのルールはこれまでと同じ、コードの代わり際にそのコードのどれかの音が出ていればいいのです。 C ドミソ Am ラドミ Dm レファラ G7 ソシレファ AmとDmがマイナーコードなのでこのときマイナーコードの特徴的な音Amならラ、Dmならファを強調するとマイナーらしさがより強調されます。逆にドミとレラを強調するとマイナーらしさは弱まります、どちらがいいのではなくて、ギタリストがどの音を出したいのかが重要です。 G7はセブンスコードで、ブルース系の和音ですが、Gのセブンスはファの音なので、Dmのコード相性がいい感じで、フォーク系の味が出ますね。ただしファはあくまでもおまけの音なのでG7の頭はソにしています。
C/Am/Dm/G7 |
コードのみ | コードにメロディー |
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実践4 マイナーの曲で弾くアドリブ
マイナーの曲といっても特別な違いがあるわけではありません。コードの音に合わせて弾くだけです。現在の音楽はメジャーとマイナーにはっきり区別されるわけではなく、一曲の中でもメジャーな感じだったり、マイナーな感じだったりする部分を持っているので、あまりこだわる必要はないはずです。コード進行は、Am/Dm7/G7/Amです。 Am ラドミ Dm7 レファラ G7 シレソファ Am ラドミ
Am/Dm7/G7/Am |
コードのみ | コードにメロディー |
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実践5 アドリブギターソロは練習と経験あるのみ
このほかにもいろんなコード進行が考えられます。じゃぁコード進行を一つ一つ覚えておかないとアドリブギターソロはできないのか?というと、そうでもありません。音楽には自然な流れがあるので通常の音楽は、ほぼ同じようなパターンで進行していきます。慣れてくれば次の展開が読めてくるようになるのです。 iPadがあれば練習用のコードパターンは簡単に作れます。録音装置があれば自分でバッキングのコード演奏を作りましょう。それをもとに自分のお気に入りメロディーを作っていくのです。 最後は少し長めに作りました。コード進行は CGFG7 CGFG7 AmFCG7 CGFG7 C このようなバッキングを自分でも作成して練習するのです。
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